人気コンパクトハッチバックのホンダ・フィットが2020年に4代目へとフルモデルチェンジを行うという情報があります。
現行の3代目モデルは2013年から発売されておりハイブリッドモデルでは日本車としては珍しいデュアルクラッチトランスミッションを採用するなどしてJC08モードで37.2km/lという低燃費を達成して注目を集めました。
2017年6月30日には安全運転支援システム「ホンダセンシング」の採用やデザイン変更を含めたビッグマイナーチェンジを実施して今なお高い人気を得ていますが、歴代フィットは6年ごとにフルモデルチェンジをしていることから2019年に4代目モデルへと進化を遂げることになるでしょう。
そこで当記事では次期型のフィットに関する最新情報をまとめていきます!
目次
フルモデルチェンジは2019年
フィットのフルモデルチェンジが2019年に行われるという予想情報が流れている理由を歴代モデルの紹介とともに解説していきます。
初代の発売は2001年6月
フィットがデビューしたのは2001年6月で「思い立ったが吉日生活」というキャッチフレーズを引っ提げて使い勝手の良いコンパクトカーとして発売開始されました。
FF駆動のレイアウトを最大限に生かしたグローバル・スモールプラットフォームを採用して小さなボディからは想像できないほど広い室内空間とシートアレンジを実現することに成功。
そして当時としては珍しく疑似的な変速を行える7速ホンダマルチマチックSというCVTを採用して、ステアリングスイッチを使って任意のタイミングでギアチェンジを行うことができ、走りも楽しい車としても人気を得ました。
2002年には日本国内での年間販売台数が25万台を超えて、33年間もトップを守り続けてきたトヨタ・カローラを上回りナンバーワンに輝き歴史を塗り替えました。
マイナーチェンジは2004年6月に行われておりスポーツグレード・Sの追加やLEDブレーキランプ・テールランプ、ドアミラーウインカーなど最新の装備も選べるようになりました。
初代フィットのスペック
- 全長×車幅×車高:3830×1675×1525mm
- ホイールベース:2450mm
- エンジン:直列4気筒
- 総排気量:1339cc
- 最高出力:86ps(63kW)/5700rpm
- 最大トルク:12.1kg・m(119N・m)/2800rpm
- 燃費:23.0m/l
2代目の発売は2007年10月
2007年10月にフルモデルチェンジが行われ2代目となったフィットは、デザイン面ではキープコンセプトで大きな変化はありませんでしたが、ボディサイズは全長で+70mm、全幅で+20mm、ホイールベースで+50mm拡大され一回り大きくなり、室内空間・ラゲッジスペースの拡張など使い勝手が更に向上しました。
RSという専用のエクステリアやアルミホイール、5速MTのトランスミッションを採用した本格的なスポーツグレードが追加されたのは2代目からで今なお続く人気グレードとなっています。
2代目のマイナーチェンジは2010年10月に行われエクステリアデザインの変更やRSグレードが5MTから6MTに多段化、そして待望のフィットハイブリッドが追加されました!
フィットハイブリッドの燃費は10・15モードで30.0km/l、JC08モードで26.0km/lと当時としてはトップクラスの低燃費を達成して維持費の安いコンパクトカーとして人気を獲得しました。
2代目フィット(ガソリンエンジン)のスペック
- 全長×車幅×車高:3900×1695×1525mm
- ホイールベース:2500mm
- エンジン:直列4気筒
- 総排気量:1339cc
- 最高出力:100ps(73kW)/6000rpm
- 最大トルク:13.0kg・m(127N・m)/4800rpm
- 燃費:24.0m/l
3代目の発売は2013年9月
現行の3代目は2013年9月に発売され今まで優しい印象のフロントマスクでしたが3代目からは薄めのヘッドランプになりかっこいいデザインに進化!
テールランプも縦長型になるなどエクステリア面が大幅に変化しました。
インテリアも上級グレードにはソフトパッド素材やピアノブラックのパネルを採用するなど高級感のある仕上がりになり、今までのフィットとは大きく印象が変わりました。
またハイブリッドモデルでは7速デュアルクラッチトランスミッション(7速DCT)にH1型モーターとリチウムイオンバッテリーを内蔵したIPU(インテリジェントパワーユニット)から構成される新型ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を採用。
デュアルクラッチのデメリットであった発進時のギクシャク感をモーター駆動で補うことで、滑らかな発進が可能になった他、燃費性能も飛躍的に向上してJC08モードで36.4km/lを達成しました。
ただ世界的に見ても珍しいDCTとハイブリッドの組み合わせにより不具合が多発してリコール対象となったことでも話題になってしまいましたね。
2015年9月のマイナーチェンジ以降はDCT、ハイブリッドの信頼性も向上しており不具合はほぼ無くなったので安心して乗ることができます。
そしてマイナーチェンジ後は燃費も向上して日産・ノートe-Powerと同じJC08モードで37.2km/lを達成!
ライバル車種のトヨタ・アクアの38.0km/lを超えることはできませんでしたがコンパクトカーとしてはトップクラスの燃費性能を誇ります。
3代目フィット(ガソリンエンジン)のスペック
- 全長×車幅×車高:3955×1695×1525mm
- ホイールベース:2530mm
- エンジン:直列4気筒
- 総排気量:1317cc
- 最高出力:100ps(73kW)/6000rpm
- 最大トルク:12.1kg・m(119N・m)/5000rpm
- 燃費:24.0m/l
4代目の発売は2019年
フィットのフルモデルチェンジ、マイナーチェンジの間隔をまとめると以下のようになります。
- 2001年6月:初代フィットが発売開始
- 2004年6月:マイナーチェンジ
- 2007年10月:2代目にフルモデルチェンジ
- 2010年10月:マイナーチェンジ
- 2013年9月:3代目にフルモデルチェンジ
- 2015年9月:マイナーチェンジ
- 2019年9月:4代目にフルモデルチェンジ?
フィットは6年周期でフルモデルチェンジをしており、フルモデルチェンジから2~3年後にデザイン変更や装備追加を含めたビッグマイナーチェンジが行われます。
このことから2019年に4代目にフルモデルチェンジをするのが、ほぼ確実と言えるでしょう。
フルモデルチェンジ内容
エクステリアデザイン
4代目フィットはホンダの車種に共通して使われているソリッドウイングフェイスが採用され、フロント部分にメッキパーツが多様されるほか、ヘッドランプはレジェンドやジェイドに採用されているジュエルアイLEDになることが予想されます。
ソリッドウイングフェイスはフロントグリル部分のことで、ヴェゼル・シビック・オデッセイなどホンダの人気車種に使われています。
ジュエルアイLEDは宝石のように見えることから名づけられたヘッドランプデザインのことでホンダの高級セダン「レジェンド」から採用され、ジェイドにも2018年5月のマイナーチェンジから採用されました。
今後のホンダ車種は続々とジュエルアイLEDになっていくことが濃厚です。
出典:http://www.honda.co.jp/LEGEND/
ボディサイズについては5ナンバーサイズのコンパクトハッチバックとしての地位を確立したフィットなので大きな変更はありませんが、モデルチェンジのたびに少しずつ大きくなっているので3代目と同じか、少し大きくなることが予想されます。
3代目のボディサイズ
- 全長×車幅×車高:3955×1695×1525mm
- ホイールベース:2530mm
4代目の予想ボディサイズ
- 全長×車幅×車高:3990×1695×1525mm
- ホイールベース:2600mm
全長は大きくなったとしても4m以下、車幅は5ナンバーサイズ上限の1695mmから変更なし、車高も変更はないでしょう。
流れるウインカー
近年、注目の装備といえば流れるウインカーことシーケンシャルウインカー!
ホンダはN-BOXカスタムのフロントに流れるウインカーを採用しているので、4代目フィットにも採用されることが十分に考えられます。
こちらの動画はフィットハイブリッドGP5型に付けられた社外品ですが、純正と見間違うぐらいに綺麗に発光して流れています。
インテリアは質感向上
フィットのインテリアは3代目になってカラーバリエーションが増えたりピアノブラックのインパネやステッチ入りのソフトパッド素材を採用するなど質感が向上したので、4代目では更なる配色や素材のバリエーション追加に期待したいですね。
RSグレードやハイブリッド・F特別仕様車コンフォートエディションになるとオレンジ色が差し色で入ったり、シートに高級スエード素材が使われますが、標準的なグレードだと物足りなさを感じる人が多いようです。
出典:http://www.honda.co.jp/Fit/webcatalog/interior/design/
こちらは特別仕様車・コンフォートエディションのプレミアムブラウンインテリアです。
フィットで選択可能なインテリアの中では最も明るい色ですが、ベージュやホワイトなどもっと明るいインテリアカラーが選べるようになると嬉しいですね。
ライバル車種となるマツダのデミオではテーラードブラウンの他にノーブルクリムゾンという赤と白を組み合わせたお洒落なインテリアがあり、車好きの若い女性を中心に人気を集めています。
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/
フィットでもデミオほど派手ではなくてもお洒落でセンスの良いインテリアのラインナップ追加に期待しましょう。
エンジンはダウンサイジングターボを採用か
フィットは初代モデルから1.3LのNAエンジンを主に搭載してきましたが、次期型ではダウンサイジングターボエンジンになることが考えられます。
ガソリンエンジンのモデルには海外向けのシビックで採用されている1.0L+ターボのダウンサイジングエンジン、スポーツモデルのRSには日本向けのシビックやステップワゴンに使われている1.5L+ターボエンジンが使われるかもしれません。
1.0Lのターボエンジンなら自動車税が29,500円/年で普通車としては最も安くなりますし、現行の1.3Lで必要な自動車税34,500円/年よりも約レギュラー満タン1回分も得することができます。
総排気量が低くなることで燃費向上も期待できる言いこと尽くめのエンジンです。
1.0Lターボエンジンのスペック
- エンジン:直列3気筒+ターボ
- 最高出力 129ps/5,500rpm
- 最大トルク 20.5kgm/2,250rpm
- 総排気量:988cc
1.5Lターボエンジンのスペック
- エンジン:直列4気筒+ターボ
- 最高出力 150ps(110kW)/5500rpm
- 最大トルク 20.7kg・m(203N・m)/1600~5000rpm
- 総排気量:1496cc
ハイブリッドは2モーター式へ進化で燃費は40.0km/l
現行型フィットハイブリッドは1モーター式のSPORT HYBRID i-DCDというシステムですが、次期型では2モーター式のSPORT HYBRID i-MMDになります。
2つのモーターは発電用と走行用に分けられ効率が良いのが特徴で、発進から低速・中速域まではモーターのみで走行、高速道路やバイパス道路などで高速巡航時のみエンジンが駆動のサポートをするという次世代型ハイブリッドシステム。
走行モードが3つあるのは現行と変わりありませんが電気の力のみで2つのモーターを動かし車を走らせる進化したEVドライブモードを使うことで、かなり低燃費の走行ができるので40km/lに近い燃費を記録しそうです。
カタログ燃費でアクアの38.0km/lを超えるのはほぼ確実ですし、JC08モードで40.0km/l越えをホンダとしては狙いたいところですからね。
- EVドライブモード:バッテリーと2つのモーターのみで走行
- ハイブリッドドライブモード:エンジンとモーターを併用しながら走行
- エンジンドライブモード:エンジンのみの力で走行
既にSPORT HYBRID i-MMDはアコード、ステップワゴンスパーダ、オデッセイで採用されているので技術の熟成が進み信頼性も向上しています。
3代目フィットハイブリッドはホンダにとって新しい試みだったのでリコールがありましたが、次期モデルでは完成したハイブリッドシステムが搭載され安心して乗ることができます。
また2021年にフルモデルチェンジ予定のSUV「ヴェゼル」にも2モーター式のハイブリッドが搭載されます。
トランスミッションはCVT、DCT、6速MTの3種類
トランスミッションは引き続きガソリンエンジンはCVT、ハイブリッドはDCT、スポーツモデルのRSには6速MTが採用されます。
CVTは変速ショックが少なく女性でも扱いやすいトランスミッションです。
DCTは変速時間が非常に早くパドルシフトを使って任意のタイミングでギアチェンジが可能なので、走りを楽しみたい人にとっては楽しいトランスミッション。
マニュアル車のラインナップがあるのもフィット強みで、スポーツグレードのRSは専用エクステリア・インテリアだけではなくボディ合成の補強や足回りのカスタマイズもされているのでホットハッチバックとして人気が高いですね。
安全装備ホンダセンシングと自動運転
現行型フィットはホンダの安全装備パッケージ「ホンダセンシング」の最新バージョンが付いています。
追従式クルーズコントロールや車線を維持する路外逸脱抑制機能などが付いており、長距離のドライブでも疲れにくく安心して運転することができます。
4代目フィットでもホンダセンシングの最新バージョンが装備されますが、最大の注目点としては自動運転機能が付くかですね。
ホンダでは日産・プロパイロットのような自動運転技術はまだありませんが、近いうちに開発されることは間違いありません。
フィット発売当初は付かないかもしれませんが、マイナーチェンジ後に装備されそうです。
自動ブレーキ(衝突軽減ブレーキ)
ホンダの自動ブレーキはミリ波レーダーと単眼カメラの2つの検知システムが付いており歩行者、自転車、前方車両などを車両が認識し、衝突の危険性があると場合はディプレイ表示・警告音でドライバーに回避行動を促し、それでも回避行動が行われない場合は自動ブレーキが作動します。
- ミリ波レーダー:対象物体の位置・速度を認識
- 単眼カメラ:対象物体の属性・大きさを認識
路外逸脱抑制機能
路外逸脱抑制機能は単眼カメラで車線を検知しており、車両が車線からはみ出しそうになると車線内に戻すようにステアリングアシストが働きます。
大きくはみ出して事故の危険性があるときには自動ブレーキも作動する安心機能です。
買い物や子供の送り迎えなどファミリーカーとしても人気のフィットではとてもありがたいですね。
追従式アダプティブクルーズコントロールシステム
フィットの追従式アダプティブクルーズコントロールシステムは前方車両の速度に合わせて適切な車間距離を保ちつつ走行してくれる便利機能。
高速道路やバイパス道路などで真価を発揮し、渋滞時にも動作するので疲労軽減につながります。
車線維持支援システム
高速道路を走行する際に車線中央を走行するようにステアリング操作を支援してくれるのが車線維持システム(LKAS)です。
直線道路や緩やかなカーブでは適切に動作しますが、急なカーブなどではドライバー自身でステアリング操作が必要なので自動運転とまでは言えませんが、追従式アダプティブクルーズコントロールシステムと組み合わせることで、かなりドライバーは楽に運転することができます。
自動運転技術
4代目フィットで最も注目されている点は自動運転技術が採用されるかです。
まだホンダは大々的に自動運転技術を発表していませんが開発は進んでおり2020年を目途に市販車にも搭載されるのではないでしょうか?
出典:国土交通省・http://www.mlit.go.jp/common/001219253.pdf
既に採用されている日産・プロパイロットは自動運転レベル2のシステムで高速道路など特定条件下で動作するものを言います。
例として高速道路自動運転モードにすると以下の運転を自動で行ってくれます。
- 前方に遅い車がいると自動で追い越し
- 高速道路、バイパスの合流を自動で行う
ホンダセンシングを更に進化させたホンダセンシング2になるのか、それとも新しい名称を引っ提げて登場するのか分かりませんが、2020年以降にホンダの自動運転技術が発表されることはほぼ確定です。
モデューロなどの特別仕様車も登場
出典:http://www.honda.co.jp/news/2018/4180629.html
ホンダでは子会社のホンダアクセスが手掛けるコンプリートカーブランドとしてモデューロがあります。
既にN-BOX、N-ONE、ステップワゴン、フリードにモデューロXがラインナップされており、現行型フィットでも2018年内にモデューロスタイルがラインナップされる予定です!
モデューロXはスポーティーで走りを追求したカスタマイズが施されているのに対して、モデューロスタイルはドレスアップを目的にしたスタイル。
次期型フィットでもモデューロが追加されることはほぼ確実。
価格は150万~200万
現行型フィットの主要グレードの価格は以下の通り。
- 13G・F:1,428,840円
- 13G・L ホンダセンシング:1,653,480円
- 13G・S ホンダセンシング:1,790,640円
- 15XL ホンダセンシング:1,853,280円
- RS ホンダセンシング:2,050,920円
安全装備が付かないベースグレードの13G・Fだと150万円を切りますが、安全装備のホンダセンシングが付くといずれも160万円を超える新車価格になります。
次期モデルではホンダセンシングが全グレードで標準装備になることも考えられ、車両価格は10万~20万円は高くなりそうですが、1.5LエンジンとRSを除けば200万円以下で買える使い勝手の良いコンパクトカーというのは変わりません。
フィット購入後の維持費に関しては別記事にまとめてあるので宜しければご覧ください。
まとめ
現行型の3代目フィットは2013年9月に発売されて、2015年9月に安全装備ホンダセンシングの追加やデザイン変更を含めたマイナーチェンジを行いました。
歴代のフィットは6年周期でフルモデルチェンジを行っているため2019年にフルモデルチェンジが行われることが濃厚なので、2018年内のモーターショーなどでホンダからの公式発表があるかもしれませんね。
ライバル車種のアクア、ヴィッツ、ノート、マーチなどのフルモデルチェンジを見てから後出しで発売される可能性もあり、その他メーカーの動向についても注目が集まります。
ホンダからの公式情報が分かり次第、当記事も更新を行っていきます!
フィットの値引き方法については別記事にまとめたので宜しければチェックしてくださいm(_ _)m