車のトランスミッションは大きく分けるとATとMTに分けることができ、この2つは運転方法もかなり違うため免許証も分かれておりAT限定の人がMT車を公道で運転することは道路交通法違反となります。
近年はMT車が極端に減ったのでAT限定で取る人がほとんどですが、ATというトランスミッションの中には様々な種類があり代表的なのは以下の3つ。
- AT(トルクコンバーター式)
- DCT(デュアルクラッチ式)
- CVT(無段変速機)
かつてはほとんどがトルコン式ATでしたが、DCTやCVTなど新しい変速方式が増えているため、それぞれのメリットやデメリットについて分からない人も多いと思います。
そこで当記事では国産メーカーで採用が多いCVT(無段変速機)についての解説をしていきます!
目次
CVTとは
CVTは日本語で表すと無段変速機となります。
英語ではContinuously Variable Transmissionとなり、それぞれの単語の頭文字をとってシーブイティーと呼ばれるのが一般的。
- Continuously:連続
- Variable:変化
- Transmission:伝達
今までのトルコン式ATやMTだとギア(歯車)の組み合わせを走行速度に合わせて変えていましたが、CVTではギアという概念がなく0km/h~100km/h以上の速度域を無段変速で走行が可能です。
最大の特徴としてギア、変速が無いトランスミッションだと言うことです!
構造
なぜCVTでは変速をしなくても低速域から高速域まで走行可能かというと、2つのプーリーと間に掛かったベルトが走行速度に応じた最適な可変動作を行うからです。
CVTの仕組みについては動画を見ると分かりやすいので、こちらをご覧ください。
メリット
変速ショックが無い
CVTではギア(歯車)ではなく2つのプーリーとベルトの働きによって変速の働きをしているため変速時のショックがありません。
10年以上前の4速、5速のトルコン式ATでは大きな変速ショックがあり乗り心地を悪くしていましたがCVTであれば気にすることはないでしょう。
ただ近年の6速以上あるような多段式ATやDCTでも、意識してないとショックを感じることはありませんけどね。
MTの場合はもちろんドライバーの運転技術により左右されます。
部品数が少なくできる
トルコン式AT、デュアルクラッチに比べるとCVTは構造がシンプルで部品数も少なくて済むため小型化、軽量化が可能です。
軽自動車や国産のコンパクトカーのほとんどがCVTを採用している理由の1つです。
燃料カットが可能
アクセルペダルを離した減速時に燃料カットが可能となり燃費も向上。
車に搭載される発電機(オルタネーター)の充電も同時に行うことができ、オルタネーター回生技術として定着しています。
オルタネーターは減速エネルギーを回生することができバッテリーを充電できるので、簡易的なマイルドハイブリッドシステムにも組み込まれています。
疑似的な変速ができる
CVTはギアという概念がありませんが電子制御を介入させることでATやDCTのように6速、7速、8速など疑似的に有段変速にすることができます。
CVTでもマニュアルモードやパドルシフトが付いている車種は増えていますね。
例えばGazoo Racingが手掛けるトヨタのヴィッツGRはなんと10段階の疑似的なギアを持つCVTを搭載しています。
速度とエンジン回転数の効率が良い
CVTではあらゆる速度域で適切なエンジン回転数で走行が可能。
4速や5速ATで時速100km/hとなると3000から4000rpmの回転数となりエンジン負荷も大きく燃費も悪くなりますが、CVTは時速100km/hでも2000から3000程度で走行でき低負荷、低燃費で走行できます。
デメリット
アクセルレスポンスが遅い
ドライバーが最もCVTで気になるデメリットといえばアクセルを踏んでから速度があがるまでタイムラグがあることです。
ギアを使ったトランスミッションであればアクセルを踏みエンジン回転数があがれば速度も連動して上がるわけですが、CVTではプーリーとベルトによる伝達となるため回転数と速度が比例しません。
この挙動から運転している感覚が無い、ダイレクト感がないと言われておりクーペ(スポーツカー)タイプでは採用がほとんどありません。
ハイブリッド車はモーターの力によってCVTのタイムタグを補っています。
トヨタではプリウスやC-HRを代表としてほとんどのハイブリッド車がCVTを採用しています。
ホンダではCVTではなくDCTですね。
大出力に弱い
CVTは大出力エンジンの力を受け止め伝えることが困難です。
ベルトやチェーンでは大きなエネルギーを伝達するには強度が弱すぎることが原因。
そのためV6、V8や3.0L以上の大きなエンジンに組み合わされることは少なく、必然的に高級車やミドルサイズ以上のSUVでも採用は少ないです。
耐久性は問題ない
かつてはベルトが10万㎞程度で切れてしまい耐久性に難があると言われたCVTですが、現在はベルトに代わりチェーン式に変わるなど様々な技術進歩があり一般的な使い方をしている分には壊れることはほぼありません。
耐久性を求められる商用車の代表であるトヨタのプロボックスでも、2014年9月からは従来の4速ATor5速MTからCVTのみになったことからも信頼できることが分かります。
ハイブリッド車のバッテリーもかつては劣化して交換が必要になった事例がありましたが、今は20万km程度は持ちますからね。
CVTの交換が必要な時期が来る前に車自体の寿命が来るほうが早いと考えてください。
各メーカーのCVT
CVTは各メーカーで独自の開発を進めており、それぞれ名称も異なります。
トヨタ・Direct Shift-CVT
トヨタでは新型プラットフォームTNGAに合わせた新型無段変速機「Direct Shift-CVT」を開発。
今までと大きく違う点は発進用にギアを採用した点で、これによりアクセルワークとのタイムロスを無くし初速のもたつき感を軽減しています。
その他のメリットは以下の通り。
- 機械損失低減
- ワイドレンジ化
- 変速追従性向上
「Direct Shift-CVT」の解説動画はこちら。
※音声、BGM等は流れません。
日産・エクストロニック
日産のエクストロニックCVTは3.5Lクラスの出力にも耐える性能を誇り、金属ベルトやATF(オートマチックトランスミッションフルード)の改良により、ローギアからハイギアまで変速比の幅を拡大。
ワイドレンジ化に成功したことでアクセルレスポンスも改善しています。
スバル・リニアトロニック
スバルでは2009年5月に発売された5代目レガシィから新しいトランスミッション「リニアトロニック」を採用。
その後も進化を続けており現在は300ps以上の高出力を叩き出すWRX S4のトランスミッションにまで採用されています。
WRX S4は8段変速でパドルシフトも装備。
外車で採用が少ない理由
CVTを採用し続けているのは国産メーカーばかりで、ヨーロッパやアメリカのメーカーは多段式ATもしくはDCT、MTがほとんど。
ドイツなどヨーロッパでCVTが採用されない理由としてはアクセルペダルの踏み込みと加速のタイムラグや変速の楽しみが無いことが挙げられます。
日本では90%以上がAT車ですがヨーロッパでは未だに半数以上がMT車であり、運転を楽しみたい人からするとCVTの挙動は受け入れられません。
アメリカはCVTと相性の悪い大排気量エンジンが主流ということで採用は一部のコンパクトカーにとどまっています。
好みの問題
車を移動手段として考えている人にとってはCVTでも問題はないでしょうけど、運転を楽しみたい人にとっては退屈に感じるかもしれません。
トルコン式ATやDCTからCVTへ初めて乗り換えを検討している人は必ず試乗をして独特の挙動を確かめるようにしましょう!
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